ご当地キャラクターが都内でも続々と誕生している。PRだけでなく、関連グッズの販売などで地域経済の活性化も期待され、自治体を中心に「ゆるキャラ」人気はとどまるところをしらない。ただ、制作しただけでは注目されるはずもなく、知名度の向上が課題となっている。(伊藤史彦)
墨田区で建設が進む「東京スカイツリー」の周辺住民でつくる「押上・業平橋地区活性化協議会」は7月31日、おひざ元の街のイメージキャラクターとして「おしなりくん」を発表した。
新タワーの圧倒的な存在感を前に、「地元が埋没しかねない」という危機感が、ゆるキャラ作りに結びついた。同協議会広報部長の伊藤松博さん(31)は「スカイツリーと共存共栄できる強い個性を発揮してほしい」と期待をかける。
これに先立つ同22日、隣の台東区では、地元の大手玩具メーカー「バンダイ」が考案した「台東くん」がデビュー。大仏様が書いた文字から生まれたという設定で、浅草雷門など観光名所やイベントをモチーフにした8種類のプレートマスコット(200円)が、区内約20か所で販売されている。
同社は、地元商店街のイベント用チラシやのぼりなどにデザインを無償提供するほか、売り上げの一部を区伝統工芸振興会へ寄付。区観光課は「公式キャラではないが、地元企業の地域振興策として歓迎したい」と喜ぶ。
小金井市では、昨年10月に愛称が決まった宮崎駿監督デザインのイメージキャラクター「こきんちゃん」について、本格的な活用計画を今月下旬にも策定する。「『こきんちゃんの街に住みたい』と思わせるPRを展開する」と担当者。荒川区も「区の魅力を内外に伝えたい」とイメージキャラクターの公募を決め、7日の締め切り時点で578点が集まった。
ただ、キャラクターの存在が周知されなければ、その効果も半減しかねない。
「スギナミザウルス島に住んでいた妖精」という設定が、2006年に公募で決まった杉並区の「なみすけ」。区は知名度アップに、小学生のランドセルカバーにデザインを印刷し、昨年は区内のコンビニと提携して「なみすけパン」などの関連商品を販売したところ、マスコミの取材が相次ぎ、一気に注目度が高まった。
07年12月に登場した足立区の「アダチン」も昨年12月、動画サイトに投稿したオリジナルアニメをきっかけに人気急上昇。区の委託でアダチンを生み出したアート企画会社の堀越総明社長(41)は、「年度予算で動く行政は、キャラクターを作っても売り込みが苦手」と指摘したうえで、「民間参加を促す仕組み作りが、キャラクターを育てるカギになる」としている。
<読売新聞ニュースより>
いろいろな地域にいるんですね。ご当地キャラクター。なんかキャラクターなだけに、憎めない愛らしいかんじですね。